眼の病
眼の病とは
眼の病には様々なものがあります。大きく分けると、
⑴眼球(角膜・ぶどう膜・網膜・水晶体・硝子体など)
⑵視神経
⑶眼球付属器
の疾患に分かれます。
眼の病の原因
様々な原因が考えられますが、PC・携帯・テレビなどを長時間見ることによる眼の過度な使用や夜更かしなど日常生活の乱れ、ストレスなど。高血圧・糖尿病などは緑内障や網膜はく離など重篤な疾患につながる恐れがあります。
東洋医学から診た眼の病
「肝」は眼を司(つかさど)ると言います。つまり眼の疾患にはまず肝の働きが肝心であるということです。『素問』第四に、「東方は青色、入りて肝に通ず、竅(きょう)を眼に開く」とあり、眼と肝との関係を述べています。また『霊枢』第八十に「眼は心の使いなり、心は神の舎なり」と述べています。これは肝血があるから眼が見えているが、心の陽気がないと思うように働かないという意味です。例えると、肝は車のガソリン、心はバッテリーです。このような関係から「久しく視れば血を傷(やぶ)る」と言います。
まとめると、眼の病にはまず「肝」の変動を疑います。また「心」の余分な熱も影響を与える場合があり、その際は心の熱を冷ます「腎」を補います。また眼には様々な陽経も流れているので、陽経の邪気が生じている場合はそれを取り払う必要があります。また眼球周辺の病は「脾」の変動が影響を与えます。
施術方法
治療は、最も弱っている(虚している)経絡に対して、鍼によって氣(エネルギー)を充填し、体全体のエネルギーバランスを整え、生命力を最大限に保ち、自然治癒力の最適化をはかります。それによって痛みなどの症状を緩和させます。鍼は、経絡の最も有効と思われるツボ(経穴)を見つけ出し、そこから氣を注入することにより、経絡全体に氣が充満していきます。
また、日本は湿気が多い為、湿邪(体内の余分な水分による滞り)が体の関節や冷えた部分に停滞し、気や血(けつ)や水(すい)の流れを阻害することにより、それが痛みやしびれの原因にも成ります。その湿邪を取り除く有効手段が「お灸」です。お灸の有効成分と熱刺激により、体の水分代謝を活性化し、最適な水分バランスに整え症状の緩和をはかります。
適応疾患
眼精疲労、眼の痛み、流涙、視力障害、白内障、緑内障など。