生理痛・生理不順
《基本施術》
基本施術は、体全体の気血の流れを改善し自然治癒力を高める目的で行います。
よって全ての症状に対して有効であり、基本施術を軸として治療を行っていきます。
①うつ伏せ
脈診やお身体の状態を確認した後、まずうつ伏せになっていただき、腰部の「腎兪穴」からビワ温灸を当てて、生命力の源である腎の働きを高めていきます。そして腎兪穴周辺の「志室穴」「大腸兪穴」「命門穴」などを念入りに施術し、身体深部に潜んでいる冷えや滞りを取り除いていきます。
次に殿部です。殿部は特に仙骨を中心として「次髎穴」や仙腸関節、小野寺殿点、腸骨稜の硬結部などを施術していきます。腰回りは普段あまり症状を感じないという方の場合でも、ビワ温灸を当てると「体の中が巡ってきたように感じ、ポカポカと温まってきました。」との感想をよくいただきます。
次に下肢後側部、特に膝や足首の関節にある要穴を中心に施術していきます。
膝窩部(膝裏)に筋張った反応がよく見られるため、そこを緩めていきますと腰部などの症状が緩和していきます。
更にふくらはぎ辺りから足首にかけて、むくみの緩和を促していきます。
また、便秘に効果がある「承山穴」や、婦人科の症状には欠かせない「三陰交穴」目の疲れを取り去る「懸鐘穴」などにも念入りに施術していきます。
足首周辺にも「太谿穴」「崑崙穴」など大切な経穴が集中しているので、冷えを解消しながら施術していきます。
そして足裏はとても大切な施術箇所です。踵の中心にある「失眠穴」、土踏まずの
足心」、腎の要「湧泉穴」を中心に、温かくそして柔軟な足裏に変化するまでじっくり施術していきます。
次に肩背部、特に背骨の両側に沿って縦に伸びる「膀胱経の兪穴」を念入りに施術し、体の水の流れを促し水分代謝を改善していきます。また背部を施術することは、
陽気を補うこととなり疲労感が解消し体全体に元気が溢れてきます。
次に肩甲骨やその周辺の硬結が緩まるのを確認しながら施術します。
首周りも大切な施術箇所です。
特に分界項線(頭部と首の境目)は体躯から頭部への連絡口であるために重要な経穴が揃っているのですが、常に頭部を支えている負担や目や耳の酷使のために滞っている場合が多く、大抵の場合熱感があり筋張った状態になっています。
このような熱感のある箇所にもビワ温灸は有効です。ビワの作用で血質を、温灸の熱で血流を改善することで、とても気持ちのよい感覚を得ることができます。
②仰向け
次に仰向けになっていただき、まずは腹部を施術していきます。
臍(へそ)を中心に胃の真上「中脘穴」、臍の真横にある大腸に効果的な「天枢穴」、臍の真下にあり丹田を充実させる「関元穴」などに当てていきます。また季肋部の張りを緩め下腹部の冷えを取り除いていきます。生命力の根源は小腸付近、いわゆる丹田にあるので、特に下腹部は重点的に当てていきます。
次に顔面部です。
顔は陽気の集まるところなので、温灸の熱で陽気の不足分を補っていきます。特に耳や目の感覚器には、日頃の情報過多な生活の影響を直接受け取る器官であるためにかなり疲労が溜まっているので、直接ビワ温灸を当てていきますととても気持ちよく感じます。(眼に温灸を施術する際には、安全のため目を閉じていただき紙を敷いた上から温灸を当てております。)
次に、顔を横に向けていただき首の側面を伸ばした状態にて施術していきます。
次に鎖骨周辺の陥凹部、特に鎖骨上方にある経絡の交差点「欠盆穴」や、肺の要穴「中府穴」を念入りに当てていきます。また、胸部の正中線上には、ストレスや不安感を解消させる効果がある「膻中穴」がありますが、ここは免疫機能の回復にも効果的です。
次に上肢です。腕には色々な経絡が流れていますが、特に親指側には「肺経」があるので、そこを充実させることにより全身の気の巡りを改善していきます。さらに腕を上下から挟んだ状態で手首から少し肘寄りの「内関穴」と「外関穴」や、手首にある「大稜穴」と「陽池穴」に温灸を当て両面から熱を通わせていきます。また便秘など大腸に症状がある方には、肺経の対に位置する大腸経上の硬結を探りながら、肘にある「曲池穴」や上腕にある「臂臑(ひじゅ)穴」などに施術していきます。
最後に下肢前面の主要な経穴「足三里穴」「血海穴」「太衝穴」などに当て、身体上下のバランスを整えていきます。
《症状に合わせた施術》
基本施術の流れの中で、症状に有効と思われる経穴やその周辺の反応部位に対して特に念入りに施術していきます。症状に対する直接的で入念な施術により、痛み・コリの緩和や様々な病変の改善が見込まれます。
【生理痛・生理不順】
生理痛・生理不順はややもすると習慣化してしまい、市販薬などで痛みをごまかしながら過ごしている方が多く見られますが、本来は痛みなど無い状態が自然であり、痛みは身体が異常を訴えているサインに他なりません。
まずは骨盤真ん中にある仙骨及び仙腸関節の緊張を緩めていきます。特に仙骨真ん中にある「次髎穴」などを用います。そして足首近くの「三陰交穴」や大腿内側の「血海穴」、足の甲にある「太衝穴」「臨泣穴」など婦人科の症状に欠かせない経穴に施術していきます。
そして特に重要な下腹部ですが、子宮付近にある「関元穴」「中極穴」や臍周りに当て、痛みが発生しやすい箇所に対し体の前後から温灸で挟み込む施術をしていきます。また女性の場合特に滞りやすい股関節周りを施術着の上から念入りに当てていき、気血の流れを改善していきます。
《施術終了後》
全ての施術が終了した後は、数分間静かにそのままお休みいただいてからゆっくりとお着替えいただきます。
※殿部や股関節などに施術する際は、施術着の上からビワ温灸を当てていきます。
※棒もぐさの煙の匂いがお体に付着する場合があります。気になる方はご相談ください。
※施術時間は約50分です。さらに効果を高めたい場合10分の延長も可能です。(+1,000円)