首・肩のこり
肩こりとは
- 主訴で一番多い症状です。頸部・肩上部・肩甲間部などの軟部組織の自他覚的な硬直感・引きつり感・重圧感・疼痛などを言います。
主な原因
- 長時間の手作業
- 内臓疾患(高血圧症・低血圧症・肝臓胆嚢疾患・各種胃腸疾患など)
- 便秘・風邪・歯痛・更年期障害・精神神経疾患・外傷の後遺症など
- 冷え
不適応な場合
- 頚椎に器質的疾患がある場合
- 重篤な内臓疾患がある場合
東洋医学から診た肩こり
上に昇った気血が首肩に充満したためと考えます。よって治療は、気血を臍から下に下げ、上下のエネルギーバランスを整え、首肩の滞りを軽減していきます。
- この図のように、肩の背面には主に計4本の経絡(氣の通り道)が通っており、それぞれ守備範囲が決まっています。経絡の氣の流れが滞っていたり氣そのものが不足していると、そこに痛みやしびれ、だるさなどの症状がでてきます。よって、痛む箇所がわかればその原因となっている弱った経絡が判明します。仮に肩の頂上付近が痛むとすれば、肝経や胆経が原因と考えられ、さらに問診や皮膚の状態などから、その中でどの経絡が最も弱っているかを見極めます。
- 痛みの種類によっても原因となる経絡は導き出されます。筋肉痛や圧痛は肝、重だるさは脾か腎などを参考にします。
施術方法
- 治療は、最も弱っている(虚している)経絡に対して、鍼によって氣(エネルギー)を充填し、体全体のエネルギーバランスを整え、生命力を最大限に保ち、自然治癒力の最適化をはかります。それによって痛みなどの症状を緩和させます。鍼は、経絡の最も有効と思われるツボ(経穴)を見つけ出し、そこから氣を注入することにより、経絡全体に氣が充満していきます。
- また、日本は湿気が多い為、湿邪(体内の余分な水分による滞り)が体の関節や冷えた部分に停滞し、気や血(けつ)や水(すい)の流れを阻害することにより、それが痛みやしびれの原因にも成ります。その湿邪を取り除く有効手段が「お灸」です。お灸の有効成分と熱刺激により、体の水分代謝を活性化し、最適な水分バランスに整え症状の緩和をはかります。
適応疾患
頸肩腕症候群、五十肩、など。